イギリス映画の社会派の巨匠、ケン・ローチ氏の作品について、このブログの中東映画カテゴリーで書くことになるとは思わなかった。イラクで活動する民間軍事会社の暗部をえぐる「ルート・アイリッシュ」。ルート・アイリッシュとは、バグダッド国際空港と市中心部を結ぶ道路の別称で、映画では、「世界で最も危険な道路」と紹介される。
先日、知人に誘われて、この作品の試写会に行ってきた。カンヌ映画祭グランプリを受賞した「麦の穂をゆらす風」以来のケン・ローチ作品鑑賞である。
私が、初めてみたケン・ローチ作品は、1990年代後半に、東京の映画館「早稲田松竹」で鑑賞した「ケス」だった。少年の目を通じてリアルに描かれるイギリス社会に興味をひかれ、その後数年、イギリスにはまったのもこの作品がきっかけだった。
今春公開される「ルート・アイリッシュ」の詳細なストーリー紹介は、ここでは避けたい。「ケス」と同様、作品の結末にが、ケン・ローチが作品で常に示し続けている世界観のようなものが現れている気がする。正義を求めてもそれが報われることは多くない。現実にハッピーエンドはそうそうない。過酷な現実をこれでもかと示すことで、ケン・ローチは、人生というものを描こうとしているのだろう。
映画に重要な役どころで登場するタリブ・ラスール氏は、役柄の通り、アラブの弦楽器ウードを演奏するイラク人音楽家だという。クルド人のようだ。
カフェ バグダッドへようこそ。
普段は仮想空間のアラブ式カフェ。たまに「一日カフェ」を開きます。当店への感想、ご意見などもこちらのコメント欄にどうぞ。(写真は、イラク・バグダッド市内にあるウンム・クルスーム・カフェの店内)
★中東イベント情報ブログ開設★
日本で行われる中東に関係したイベントの予定を紹介します。硬軟とりまぜて、幅広く。
中東イベント情報
★下北沢アラブ街マップ★
こちらから
下北沢アラブ街が、知らないうちに「日テレNEWS24」で紹介されていた。
これ
アラブ街とアラブ人街を完全に混同しているなあ。アラブ街マップの出典ぐらい
明らかにしてほしかったなあ。
★カフェバグダッド・リブロ★
カフェバグダッド主人が、ジャンルを超えて書きまくる、もうひとつのブログ
カフェバグダッド・リブロ
■カフェバグダッド・イベントの開催記録と予定■
【トークショー】
2004年07月28日「シーシャとエジポップの夕べ」(ゲスト アラブ史研究者、中町信孝氏)
2004年10月09日「映像で見るイラク人の日常」(ゲスト 写真家、村田信一氏)
2004年12月12日「アラブは笑う」(ゲスト 中日新聞前カイロ支局長、島田佳幸氏)
2005年02月27日「イラン映画と詩の蜜月」(ゲスト イラン文学研究者、鈴木珠里氏)イベントの様子
2005年06月12日「師岡カリーマのアラブ音楽入門」(NHKテレビ「アラビア語会話」講師 師岡カリーマ氏)
2005年08月28日「まるごと、アラブ映画」 (アラブ映画研究者、佐野光子氏) イベントの様子
2005年12月18日「アラブ人と仲良くする法」(ジャーナリスト、金子貴一氏)イベントの様子
2006年3月25日「アラブ人によるアラブ論」(大東文化大講師、アルモーメン・アブドーラ氏)イベントの様子
2008年4月6日「アラブの音を聴け」(ウード演奏家・常味裕司氏、師岡カリーマ氏)
2008年12月21日「イラン現代詩の深淵へ?セタールの響きとともに」
(イラン音楽演奏家・北川修一氏、イラン文学研究者・鈴木珠里、小野寺菜穂両氏)
【1日カフェ】
2006年2月5日「カフェバグダッド・イン・シブヤ第1弾」(於コラボカフェ)カフェの模様
2006年7月9日「カフェバグダッド・イン・シブヤ第2弾」(於コラボカフェ)
2006年11月12日「カフェバグダッド・イン・シブヤ第3弾」(於コラボカフェ)
【特別企画】
2004年11月03日「パレスチナ人記者に何でもクエスチョン」
(軍事週刊誌「ジェーンズ ディフェンス ウィークリー」ヨルダン川西岸特派員、ムハンマド・ナジーブ氏)
【イベント出店】
2005年05月14、15日「あーすフェスタかながわ」(神奈川県国際交流協会主催)関連記事
2005年10月29、30日「横浜国際フェスタ」(横浜市国際交流協会など主催)
2006年6月3、4日「あーすフェスタかながわ」(神奈川県国際交流協会主催)
■リンク集■ その1その2地図
■「カフェバグダッド」とは■
「カフェバグダッド」は、中東、特にアラブ世界の奥深い文化を日本に紹介する目的で、2004年5月に設立された任意の民間活動団体です。人々が集い、語らうカフェは、世界のどこの国でも、人々の文化活動の拠点です。アラブで、マクハーあるいはカフワと呼ばれるカフェも例外ではありません。「カフェバグダッド」という名の仮想のアラブ式カフェを出現させ、そこで行うアラブの音楽、文学、映画などの文化芸術についての語らいなどを通じ、表層的ではなく地に足のついたアラブ理解を積み上げていきたいと考えています。そのことが、「テロ」「イスラム過激派」「民族・宗派間紛争」といった言葉で紋切り型に語られがちなアラブ世界の実像を正しく理解し、ひいてはアラブ世界とよりよい関係を築くことにつながっていくと考えるからです。
このプロジェクトの着想を得たのは、イラク戦争直後のイラク首都バグダッドのカフェでのこと。「カフェバグダッド」という名には、イラクの気高きカフェ文化への敬意がこめられています。
浅草は、東京の中でもかなり好きな街。特に、「ホッピー通り」とも呼ばれる庶民的な居酒屋が並ぶ浅草寺西側の「伝法院通り」は、日本でも有数の雰囲気の良い飲み屋街である。
その浅草に、「梵字バー」なる水タバコバーが開店したようだ。「伝法院通り」より北側の一角。外国人が押し寄せるゾーンからは少し離れているが、仏教コンセプトというユニークさもあり、日本に帰ったら、ちょっとのぞいてみたい店だ。
イラク戦争によるサダム・フセイン政権の崩壊をはさんだ2002年から2004年にかけて、仕事でバグダッドに行きときの定番ルートが、ヨルダンのアンマンからイラクのバグダッドまで、陸路で12時間かけて踏破するというものだった。
両国国境地帯は、延々と続く砂漠地帯。日中の酷暑から一転する夜の冷え込みはハンパでなく、砂漠の生活の厳しさを実感したものだった。
きのう読了した、松本清張の小説「砂漠の塩」の主舞台は、このルート上にあるイラク西部ルトバという町。ルトバという地名を目にして、せっせとイラクに通ったあの頃を思い出した。
ダブル不倫の2人が中東をさまようという設定の「砂漠の塩」には、もう一つ、ベイルート・ダマスカス街道も登場する。かつて日本赤軍の拠点があったベカー高原を横切る行程3時間のこの道も、一度通った人には忘れられない印象を残す。
このところ、中東を舞台とした小説をいくつか読んだ。
山崎豊子「不毛地帯」=主人公は、旧日本軍参謀、瀬島龍三がモデルとされる。後半の主舞台がパーレビ王政時代のイラン
松本清張「砂漠の塩」=カイロ、レバノン、シリア、ヨルダン、イラク
松本清張「火の路」=イラン・テヘラン、イスファハン、ヤズド、ペルセポリス
といったところ
このほか、これまでに
黒木亮「エネルギー」=イランのアザデガン油田開発にまつわる企業小説
吉本ばなな「SLY」=エジプト・ルクソール、アスワンなどが舞台
なども。探せば、意外とあるもんだ。
渡辺謙主演で、日本で映画公開中という山崎豊子「沈まぬ太陽」でも、主人公・恩地さんは、テヘランにも「飛ばされる」よなあ。
(写真は、松本清張「火の路」に登場するイラン南部シーラーズ郊外「パサルガダエ」遺跡にあるアケメネス朝ペルシャの王、キュロス2世の墓)
日本と同様、火山国、地震国のイランには、各地に温泉もある。
アゼルバイジャンに接するアルデビール州の「サル・エイン」や、ラムサール条約の名前に使われたラムサール湿地帯に近いギラン州の「ラムサール温泉」が有名だが、今回行ったのは、テヘラン西方ガズヴィーン州のアーベ・ギャルム(アーブ=水、ギャルム=熱い、とまさにそのまんまの地名)なる町の「アルシヤー」という温泉浴場。
男湯、女湯に分かれていて、日本の銭湯といった趣き。男湯のほうは、6メートル四方ほどの浴槽が2つあり、その上にある湯だまりからお湯がこんこんと注がれている。日本の田舎のひなびた公共浴場といった感じだ。
少し驚いたのが、イラン人の入浴スタイル。浴槽にじっとつかることはなく、さほど広くない浴槽をバタ足で泳いだり、はては、頭から飛び込んだり。そのたびにお湯が跳ね上がり、迷惑なことこのうえないのだが、まあ、文化の違いということか。
静寂さは求むべくもなかったが、ほのかな硫黄臭のするエメラルド色がかった乳白色のお湯はわるくなかった。テヘランから車で3時間半という距離がもう少し近ければ、毎週でも通っていいと思った。
湯上がりに、ビールは望むべくもなく、近くのカフヴェ・ハーネで、イランのヨーグルトドリンクの「ドゥーグ」を飲む。発酵による炭酸がきいており、のどにここちよい。
(写真は、アルシヤー温泉の女湯入り口)
中東で、「屋内の公共スペースを禁煙にする動きが広がっている」と、読売新聞の田尾茂樹記者から、トルコ・イスタンブールから報じている。
テヘラン中心部のタレガニ通りに残る、旧米国大使館。その敷地内に立つのが、この「不自由の女神」(仮称)。ここは、イラン革命直後、イランの大学生グループによって米外交官らが444日間にわたって拘束された「在テヘラン米国大使館占拠事件」の舞台。
「不自由の女神」(仮称)は、この事件を顕彰するため作られたものとみられる。腹の部分が牢獄の鉄柵のようになっているのは、「米国の不自由さ」を主張するためのデザインか。

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